蜜蜂と遠雷
昨日から扁桃腺が腫れ、今日も寝込んでいるので、寝ながらでもできることを何かしたいと思い、すごく気になっていたこれを読み始める。
かなり太い本だけどこれがまさに珠玉のピアノコンチェルトって感じで一気に読み終えた。
この感覚「楽園のカンヴァス」以来だなぁと思う。
素晴らしい。アァ、素晴らしい。
わたしはやっぱりこういう小説が好きだ。
ここにいてここでないところへ連れてってくれる、音楽のような物語。
喉は依然腫れ上がり、頭はぼうっとしているんだけど、
まだ今も鮮烈に響き渡る旋律(メロディ)の余韻に佇んでいる気持ち。
ピアノと音楽が好きな人には絶対読んでほしい一冊。
物語に出てくる、台風の目のようなピアニスト、風間塵の音楽が大好きで惹かれるけれど、
考え方やアプローチは栄伝亜夜に近いなと考えた。
つまり、自然というものと本能的に一体化しているというよりは、人間という面倒くささ、
人間というフィルターと、関わり続け、向き合い続ける中に答えを見つけていこうとするやり方が。マサル・カルロスみたいなバランスの良いアプローチが自然とできる素養があったら、いまごろ売れっ子作家になってるのではないかしらと思うけれどあのような素養がわたしには全くないのだよな。笑。
しかし2009年からの連載とは、なんたる渾身の一作なんだろう、素晴らしい、素晴らしい。
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