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2017年1月

2017年1月17日 (火)

TOP&NEWS!!【2017年Jan】

謹賀新年!!
本年度もどうぞよろしくお願いいたします!
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<2017 News!!>
今年から、こんなIsntagram始めました!

Mocabrary

中島桃果子による偏愛的読書と偏愛的執筆の為の小部屋へようこそ。
のんびり少しづつ更新していくつもりです。
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about「うたタネ♪-Salon de Utatane-💫」
うたタネ♪Utatane December「クリスマスだよ、クマ子とテディベアの秘密」は、
温かくクリスマスらしい夜に包まれて、すばらしい一夜となりました。
大切な一夜を一緒に過ごしてくださった皆様に感謝してconfident

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2017年1月 2日 (月)

2017年の月モカ

本年度より、Official Facebookにて毎週月曜更新中のエッセイ「月モカ」
こと「月曜モカ子の私的モチーフ」の挿絵が、Miho Kingoになりました!
どうぞよろしくお願いいたします!

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《月曜モカ子の”私的モチーフ” 第95回「謹賀新年」》
文/中島桃果子 絵/Miho Kingo 

破壊的に電波の悪い母の実家、つまりおばあちゃんちで、今朝、朝の6時に目覚めた。圧倒的な快挙、万歳。この2017年の幕開けから、朝に起床している。
それは単に、31日の夜に色々してたら帰省できなくて(年始から母と父に「約束を守れない」と怒られ自分が情けない)、
しかしそこから色々して、早朝の新幹線で帰省、おせちを食べたらそこから数時間爆睡してしまって、それでも飽き足らず、母がおばあちゃんに「おかあちゃん、この子、とりあえずずっと寝てるからな」と言うの小耳に挟みながらも0時にはベッドに入って、
さらにぐっすり寝た、という寝倒して6時起床なのであるが、
それでもこれを機に、半分くらいは朝方生活に戻せるのでは、と、わたしは嬉しい。
江戸時代の末期に建てられた築140年の、この中島家でわたしは幼少期を過ごしたので、ここが他人の家の感じが全然しない。幼子の体に刻みつく記憶の鮮烈。おそらく我がベスフレも、大きくなったら今の神楽坂の家をそう感じるだろう、そうか、あの家に、ずっとわたしが、住み続ければ、の話だけど。
                              
静まりかえったキッチンーーここもこの数年で足の悪いおばあちゃんのために段差をなくしてコンロもIHになったーーに立って、ここでしか食べられない白味噌のお雑煮と、なんか冷蔵庫に余っていた豚の角煮みたいなやつを温める。白ごはんと一緒に食べるつもり。その前に白湯を飲む。
「むーみんさ、そんなに体冷えるんだから朝に水やめた方がいいよ、白湯にしな」親友にそう言われて白湯に変えた。
神楽坂の家はケトルで沸かすが、ここにはポットがある、あーなんて便利、すぐに飲めるし。わたしにはたくさん名前がある。ムーミン、とか、モカコ、とか、モカティーナ、とか、夫人、とか、それから昭子。昭子は本名。おせちを食べる箸の袋にはもちろんだけど昭子と書かれてる。
                              
母方の実家である「中島家」に帰ってきたのは、作家名の名字を頂いた、中島家、その敷地で10日ほど過ごしながら、中島桃果子について沈思黙考するつもりであったからだが、箸袋に書かれた「昭子」を見て、そうか、昭子を置いていっても良くはないのか、などと考えた。IHは静かにお雑煮を熱していて音がない。
                              
昭子と桃果子の融合が大切ではと、そういえば2年前、2015年の羊男は言っていた。しかし去年の春に買い換えたmacが賢いというかなんなのか、「あきこ」と打つと自動的に「中島桃果子」と変換される恐ろしい刷り込みなんかもあって、わたしはほぼ自分が昭子であることを忘れかけていた。
なのでとりあえず2015年の羊男には、昭子より、と新年の挨拶をしてみる。
                             
2015年の羊男はいつも年末から年始にかけて、ちょっと近寄りがたい雰囲気を身にまとっている。普段はマブダチと言える(と思うのだが)わたしとも、やっぱり距離をとる。誰かと、というか誰とも、いわゆる一切のエーテルを遮断したそうな気配を感じるので、なるべく連絡をしないようにしつつ、お礼なんかは、
写真に文字を載せて絵として送ってみたりする。
言葉を生業にしているから言葉の不思議さをよく知っている。
絵とか写真につけて送ると言葉はまるくなる。そうでない状態の言葉は、「ありがとう」とか「あなたが健やかでありますように」とかいうポジティヴな内容であったとしても、いつも磨かれた刃物のように尖っていて、人と人の関係性や状況の中で、それが自分に向いてると思うと、人はその相手がこわくなったり、けむたくなったり、する。羊男に煙たがられることを、わたしは望まない。
                              
昨夜はこの家に大家族が一堂に会してすき焼きを食べた。
この家では勝手がって同時多発てきに皆が好きなことを話している。美里がすごかった。
美里、とは母の妹で、若い頃はめちゃくちゃ美人だったし今も可愛いのだが、とにかくぶっ飛んでいる。
我が妹のあやめっくすが、
「モカコさんはあの大竹しのぶのあの乗りうつってるピフをご覧になられましたか」とわたしに聞いたので、
「あれやばかったよね、憑依してたよね、口の開け方とかさあ、大竹しのぶではない何かやった!!」とか話して盛り上がっていた直後に、「大竹しのぶなんかが紅白出て、全然ええことあらへん!」
と美里が大声で怒るので、
「え!? なんで!? よかったやん!」
と聞いたら、
「あれの何がええの。あの人は芝居の人やけど、歌なんか全然ええことあらへん」と始まった。
愛の讃歌なんかはもっとさらっと歌うもんや、となり、それにわたしが「愛の讃歌のどこがさらっとしてんの、おばちゃんピアフの歌聴いたことある!?」と言ったらあるよあるよとなって、
「♪あゝなたぁのォオオオ〜〜〜」
と美里オンステージが始まって、実際それは別に全然さらっとしてなかった。
                              
そのあとも「紅白は歌合戦やから、歌の下手な人は出るべきではない」という持論を展開し、そこに母が加わって「タモリさんとマツコが紅白見れんと帰るのは良くない演出やった。田舎者を馬鹿にしたような設定やし、毎年すごい倍率の抽選の客席やのにあんな風に2席も無駄にして」となり、
そのあと二人は「シンゴジラのくだりはほんまいらんわ」となり、
わたしが「いやでもさ、紅白のために、結構な役者陣で真剣に撮影してたし、それは贅沢やったやん」と言ったが、
「そんなんはどうでもいい」
となった。
                              
末妹の萌恵が、
「内容どうこうより、あれNHKやん? 災害速報とか出てさ、お年寄りの人とか、混乱したんちゃうかな、NHKやし」と、面白いことを言ってて、そこに「それにしても大竹しのぶは下手やった」と美里がまた言うので、「じゃあさ、逆に誰が出ればよかったんよ」と聞くと「安室ちゃんとか」
と言う。NHKは安室ちゃんを忘れてる、オリンピックの主題歌も歌わはったのに、となり、萌恵が「安室ちゃんは断ってはるの、毎年大晦日は息子と過ごさはるらしい」と言い、美里が「そんな話は聞いていない。とにかく歌の専門じゃない人がひょっと出るようなんじゃなくて、それを目指して頑張ってきた人をもっと出さなあかん」となったので「じゃあさ、パーフェクトヒューマンとかはどうなん?」と聞いてみると、大きく頷いて「あれは最高やった」と答えた。
                              
どうも美里が言う歌の専門とは、それを職業にしているかどうかではなく、音程が合ってるかどうからしい。パーフェクトヒューマンはうまい、桐谷さんは音外してる、パフュームは今まで認めてなかったけど、あのLEDはすごかった、
PPAPは歌じゃない、ある程度美里の選別が済んだあたりに我がベスフレがトイレのお供に美里を指名したので、美里は、
「♪見ぃててねえ〜〜、見ぃててねえ〜〜、大人のおしっこ、見ぃててねえええ〜〜〜」とトイレオリジナルソング、♪見ぃててねぇ
を熱唱しながら、ベスフレと一緒にトイレに消えた。
                              
白米をよそおうとしてお櫃のすぐ下の引き出しを開ける。
そう、しゃもじ。
おじいちゃんが亡くなった一昨年の正月、この引き出しから数え切れない数のしゃもじが出てきた。しゃもじ、またしゃもじ、しゃもじ王国。
けれどおばあちゃんは、しゃもじを捨てたくないと言った。
「ここへ嫁いできた時な、本家の集まりとかようあってな、もうしゃもじがいくらあっても足りひんでな、せんど(困り果てる)したんやわ」
わたしはその時、20代のおばあちゃんを思った。お酒つけて、お皿配って、醤油だして、ご飯食べたい人にご飯よそって、またご飯よそって。記憶は人を留める。もうせんどしないけど、しゃもじを捨てたくない。
なんかわかる気がしたよな。
そう思って、しゃもじ王国を想像しながら引き出しを開けると、そこにはしゃもじは一つしかなかった。
え? 代わりと言ってはなんだが、箸、箸、箸。
溢れんばかりの割り箸の数々。
                              
どのタイミングでおばあちゃんがしゃもじから箸にシフトしたのか。
いや、おそらくしゃもじは絶対にある。どこか別のところに。

           <モチーフvol.95「謹賀新年」>

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