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2016年5月30日 (月)

【戯曲】小さな惑星の音楽家

※サロンで5月30日に実際に使用した戯曲です。

月刊 杉浦秀明 サロン台本5.30 <セカンドステージ>

演奏をしている小さな惑星の音楽家。
そこにどこからともなく歌声が重なって。音楽家はそれに気づく。

明転。 

「・・・えっ!?」

銀河の歌姫「どうも」おじぎする

 

音楽家「えっっと・・・ああ」

銀河の歌姫「(再び)こんにちは」おじぎする

音楽家「いや、あの、なんて言ったらいいのかなあ、その・・・この惑星には、あまり“誰か”が訪ねてくるようなことがないので・・・いや・・確かに、僕は、ずっと、誰かのために、というか、僕たちのために音楽を奏でてはきたのだけれど」

 

歌姫「わたしは銀河の歌姫です。

(まず音楽家に向かってそう言ったと、見えない誰かが、そういえばいるんだったわ、的な感じでこんどは観客に向かって)

えっと、初めまして、皆さん。わたしとある惑星(わくせい)ではもう長いこと歌を歌っている歌姫です。その惑星ではわたしは沢山の人に知られていて、

わたしの歌も、たくさんの人に知られていて、

いわゆる、どこかの星の言葉をつかうと、わたしは「成功」しました。

けれど、今、わたしはとてもたいくつしているんです。

すべての音楽が、わたしの周りにあるすべての音楽が、

何か出来上がりすぎている気がして」

 

音楽家「できあがりすぎている?」

歌姫「ええ」

音楽家「えっと・・・出来上がりすぎている、というのは、一体どう言ったようなことを言うのだろう?」

 

音楽家、歌姫、アドリブで音楽談義。

歌姫、その前の音楽家の演奏を引き合いに出してもいい。

(しばらくやりとり)

 

歌姫「それで、その・・・わたしと一緒に、何か音楽を作ってくれませんか?」

音楽家「一緒に?」

歌姫「ええ。音楽・・・というより“音”のようなものでも構いません」

 

音楽家しばらく考える(嫌そうな感じや、気が重い感じではなく)

その後、歌姫に向かって、

 

音楽家「えっと、それでは・・僕に少し思いあたるものがあるので、ええと・・・・

(会場に向かって)

僕にこの詩を、送ってきたひとは誰かな? 送ってきたと言っても、届いてきたということなんだけども」

詩人、おずおずと手をあげる。

音楽家「君か。君は詩人だね」

 

詩人「わからないです。わたし・・・わたしはただのパン屋の娘で・・けれども時々、やってしまうんです、こう、紙になにかを書きつけるのがくせみたいで・・・あの・・・あれ?(詩人変な感じに襲われる)これと同じようなことが、
ほんの少し前にもあったような気が・・・」

 

音楽家「同じようなこと?」

 

詩人「あ、いや、いいんです。(クマ子を見て驚く)

ここにこんな風にあなたがい・・・・・・・(自分自身を納得させて)初めまして」

 

歌姫「(?)初めまして」

 

音楽家「とにかく君は、僕にこの言葉をおくってきたね」

「うたう島」

 

歌姫(コロスのように)「うたう島・・・」

 

詩人「あ、はい」

 

音楽家「これにはどういった思いが込められているのかな」

 

詩人「(アドリブでなんかいける?)」

 

音楽家「どうだろう?これを3人でやってみるっていうのは」

 

詩人、歌姫「ええっつ!?」

 

歌姫「えええっ!いい、い、いますぐですか? いや確かに、音のようなものでも構いませんとは言いましたけど、わたしの音楽というのは、わたしの星では歌、といって、音楽に言葉が載っています。それで決まった旋律というのがあって、

それを弾いてもらって、わたしはいつも歌うのですけど・・・そんないきなり、生まれるものではないのです」

 

音楽家「そうだろうか。僕はそうは思わない」

 

音楽家「(詩人に)少し読んでみてくれる?(歌姫に)君はさっきのように、それに音を重ねて」

 

音楽家ピアノ弾く。それに合わせて、朗読ではなくブツブツ読み上げる詩人。

クマ子、音を重ねる。照明、ストロボ的な感じ。

 

音楽家「(歴然と言い切る)わかった、それでは始めよう」

 

音楽家、一気に「うたう島」のイントロを弾き始める。

 

そして詩と音楽と歌が始まる。

ーーー戯曲 中島桃果子ーーー

これらをご覧になって、「へえ!あそこアドリブだったんだ!!」とか、
思う方もいらっしゃるかも。

検証してみたい方はブログのトップページより「うたう島」の動画をご覧ください

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