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2016年4月25日 (月)

かつて

久しぶりに誰もいない店にひとり残って、安藤裕子を聴きながらいろんなことを考えてる。

いくつもの店で働いてきたけど、こういう時間が実は好き


ここで働きだしてまだ恵比寿に住んでいた頃、わたしがか

つて好きだった人はわたしの前でいつも嘘をついていた。

彼は嘘をつくのがすごく上手だった。わたしは彼のことを

気がおかしくなるくらい好きで、彼はいつも彼女のことを

罵っていた。わたしはそれを馬鹿みたいに信じていた。
だから自分が唯一の彼の味方の気持ちでいた、 だから知らなかった、わたしがいない日にこの店でプロポ

ーズしたこと。わたしが拭いたグラスで盃をかわしていた

こと。
だからわたしはほんとはいつも自信がない。
だから親しい男友達が「マジあいつにイカレテたよね、おまえらしくもなく丸め込まれて」みたいに言うと、ついそんな気がしてくる、そうじゃない時期も、きっと僅かながらにあったはずなのに。
かつてすごく美人の同居人がわたしにはいて、男の子はみんなその子と繋がりたくてわたしと仲良くなろうとしたから、わたしは美人の同居人を好きな男の子がみんな嫌いだった。
そして美人の同居人のそばにわたしがいることを見てくれる男の子にひどく依存していた。
自分に自信がないから、(逆を返せばひどく自己愛が強いから)
わたしに好意を持ってくれる男の子と26歳の誕生日以降はすぐに寝た。誰かがわたしと寝てくれるとすこし気が落ち着いた。でもその子たちもいちばんだいじなのはわたしじゃないから、オフラインでは結合しててもオンラインではいつもさっと手を離した、それでいいと思っていた、無責任に寝るとはそういうことだから。
そういうことを繰り返して、わたしはとても冷静な大人の女になってしまった、
ほんとは好きな男からちょっと返信がないくらいで死にたくなるくらいになるくらい弱いのに、そうじゃないふりをして生きている。
それがわたし。
簡単に抱こうとされると嫌なのに抱こうとしてくれないと底なし沼に飲み込まれそうになる。
だからわたし、ちょっとやっぱり少しイカレている。

わたしは今何かを書きたかった。
たぶんそうなんだと思う。

空気とか、そういうのんじゃなくて。

私小説しか書けない女が、書かれたら困る人のことを考えて何も書けない、
いい年してエモいこと書いてもみんな引くからなにも書けない、だからもう4年も、出版社を待たせたまま、ラノベばかり書いている。
女は感情的な生き物で、男はみんなそれが嫌い、なのに男はどうして女を愛するの。
わたしだって人目をはばからずたくさん泣きたい、それを見ても呆れたり萎えたりしないでそばにいてほしいの。
はばからずに会いにきたりしてほしい、
みたいなことを書きたいの。

わたしは今日なにかを書きたかった。
ただなにかを書きたかった。
だってわたしは物書きだから。

誰もこないこの店で、誰も待っていないような感じで誰かを待っている。

誰でもない誰かを。

それは、ただわたしが、いま、ひとりでいたい、という言葉の代わりなのかもしれないけれど。


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