蝶番は棄てない
わたしと誰かの間を繋ぎ留めるもの、また繋ぎ留めていてくれたもの。
縁とか信頼関係とか、培ってきた時間であるとか、そういう目に見えないものを蝶番と呼ぶのなら。
切り捨てたり離れたりできる相手なら楽だけどそうじゃないから色々なところで悩む。でもその繋ぎ留めてきた何か(あるいは蝶番と呼ぶべきもの)を、
一度はずして、それを棄てるんじゃなくて、
互いの間に一度置いてみるんだという、、
いつかとうの昔にじぶんが小説に書いた言葉に、いまさらはっとしてみたりして。
物語の中にある言葉って不思議だ。意味が、何年も後についてきたり、後から解ることがたくさんあって、いつも一体誰なんだこの言葉をわたしの脳内に降ろしたお方は。と、思ってみたりする。
はたまたわたしがこの5年で、知っていたはずのことを忘れてしまっていたのかもしれないけれど。
蝶番など存在しなかった、と、言うのは簡単で、
そう決めつけるのは悲しい。
きっと自分がそう思うのだから確かにあった。
自分がそこから自由になりたいと思うこともあったのだからきっとあった。
蝶番、または互いの心の架け橋と思うべきもの。
互いがそこを渡り合って、互いの心を確認しあえたような。
でもそれを一度外して、互いの間に置いてみる。
捨てるんじゃない、置くんだと、さっき読んだ本に書いてあった。
いつかのわたしが、その本にそう書いている。
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