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2013年2月14日 (木)

『つやのよる』

「艶が危篤だ」
ある女性が死のうとするとき、その女性と関わった男たちを通してその男たちの向こうにいる女たちがざわめいていく。

昨日、やっと行定監督の「つやのよる」を観に行くことができました。
上映前から楽しみにしていた映画です。原作は井上荒野さんで、脚本は、わたしも一度お会いしたことがある伊藤ちひろさんが担当されています。

誰もの日常に潜むあたりまえのドラマに、はっと気づく映画です。
ひとりの女を巡って数人の男たちがざわめく、またはその逆の物語というものはよくありますよね。

だからわたしも、ひとりの女を巡るたくさんの女たちの話だと思ったときに(キャスティングやなんかで)、一体どういうことなんだろうと思いました。
でも、観て、ああそうかこういうことなんだなあと。

つやじゃない側の女に立ってみればよくよく解る話です。
いま自分が愛したり関わっているひとの向こう側にいる女のひと。
それは厄介で、気にしなくてもいいけど気になって、
なんか勝手にすごい女なんだろうとか、勝てないとか、クズみたいな女だとか、想像だけがふくらんでいく。実体のしれない「艶さん」を、名前やその響きから透けてみえる人格をつくりあげたり、知っていても知らない部分を妄想で勝手に乗っけてみたり。あるいは「知りたくない」と、なんの情報も入ってこないようにシャットアウトしたり。

でもわたしがこの映画を面白いと思ったのは、
わたしたちは、艶じゃない側の女でもあるし、その方が自覚しているけど、
同時に同じだけ「艶」でもあるのだということに気づいたからでした。

じぶんが奔放に生き、恋愛をするということは、
自分が恋愛をし関わる男を通して、その先にいる女たちをざわめかせ揺さぶっていく行為でもあって。女はみんな、揺さぶられる側であると同時に同じだけ揺さぶりをかける側でもあるということを思い知った映画でした。

じぶんがじぶんであることには無自覚ゆえに、意識がないけど。

わたしたち女はひとりひとりが艶でもある。

原作を、読んでみたいと思いました。
みなさんもぜひ、映画館で観てみてください。
行定さんの力作です。
わたしは個人的には監督の「作品に触れて貰いたい」という熱意と真摯さ(それはきっと映画というものに対する真摯さ)、に触れる機会を頂き、たいへん感動しました。行定さん、役者陣、そしてスタッフさんたちによって、大切に紡がれた作品です。よろしくどうぞ。

個人的には野波真帆さんの、
「男と女って、寝てしまうと、どーしてこうもつまんない方向にしかいかないのかね」という台詞が秀逸だと思いました。
秀逸な台詞にひとつ出会えるだけでも、わたしはひどくしびれる。


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コメント

初めてコメントします。
こんにちは、桃果子さん。  

今日、偶然に桃果子さんのブログを拝見させて頂きました。
私、桃果子さんと中学生の時にお互いの夢なんかを
色々と語っていた事を思い出して本当に実現されたんだなって
感動して、思わずコメントしてしまいました。
魔の2歳児の双子に振り回され、なかなか本屋にも行けない毎日ですが、かならず作品読ませて頂きますね。

突然のコメント失礼いたしました。

投稿: MAMIKO | 2013年2月27日 (水) 00時30分

mamikoさん

マミコさんてもしかしてセリじゃない?
すごい偶然に必然を感じます!!!
ぜったいセリだよね?旧)芹沢麻美子じゃないの?(漢字間違ったかな)

なぜ必然かというと、ほんとうにこの一週間以内に、わたし、なぜそんなことになったのかわからないけれど、朝起きがけに、あなたが転校していったあの日のことをなぜか思いだしていた。
下駄箱近くの階段で抱き合ってないたよね。
そんなことをなぜか先週だよ!先週たまたま思いだしていたの。

うまく言えないのだけど、あの頃わたしたちはわりとませていて、男の子の気を引くのがうまかったように思う。そしてちょっぴり女子に反感をかったりしていて、なんだかそういう意味で共犯というか、セリはわたしにとっては特別なカテゴリの女の子で、あなたの転校は相方がいなくなるようでさみしかった。
「誰かJuneを知らないか」というわたしの作品にセリという女の子がでてきます。この子はマミコさん(笑 をモデルにしたわけではないけど、これを書きながらも「せり、いまどこで何してるんだろう」ってときどき思っていた。

元気にしているみたいでなによりです。
いまではわたしはすっかり男の気を引くのがへたくそになって、ままならない恋ばかりしていますわ(笑

投稿: もかこ | 2013年2月27日 (水) 02時41分

うん、ムーミン。
覚えてくれてて嬉しい。

私も久々にあの引っ越しの日の事を思い出したよ。
あの引っ越しはまだ世間を知らない私には本当に地獄だったけれど、あなたが階段を走り降りてきて抱きついてくれた事、2人で泣いた事、それに一緒に色んな夢を語り合ったことは今思い出しても幸せな思い出です。
でも、まさかあなたが本当に夢を叶えてしまうとは。
ただ、ただ尊敬だよ。
まだ小説を手に入れられてないんだけど、読んだら絶対泣
いちゃうと思う。  

ブログを見ていると、良い人や仲間に囲まれてて安心しました。あなたが言う通り、中学時代の私たちはよく同性に反感をかっていたからね(笑)
神楽坂、私も大好き。
美味しいお店も多いしね。
私もあの頃話していた夢とは違う道へ進んでしまったけど元気にしてます。
ムーミンの活躍を陰ながら応援し続けるからね。

投稿: MAMIKO | 2013年3月14日 (木) 09時39分

セリ 
東京にいるの?だったら近々会いたいな♪
facebookもわたしやってるので連絡ください〜
(*゚▽゚)ノ

投稿: もかこ | 2013年3月22日 (金) 08時40分

ゴメン~ 
Facebookやってないの~
アドレス入れたから、メールしてくれる?

投稿: MAMIKO | 2013年3月23日 (土) 22時36分

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