« 松井冬子と昨日のこと | トップページ | 2月の近況報告Ⅰ(1週目) »

2012年2月20日 (月)

この世でいちばん透きとおっているもの

K902923072

喉が痛い。クラビット飲んでカカン!と寝たのだが夜中に目が覚めてしまったので映画「ブロンドと棺の謎」を観ました。1924年の船の話です。製作は2001年かな。主演キルスティン・ダンスト。この人の作品選び好きだな。エターナルサンシャインとかね。うん。つまらないという前評判があったが自分が何かを得たいという前向きな視点で観たこともあって面白かった。わたしが描きたいことの9分の5くらいはそこにあった気がする。うんうんこんな感じだよビジュアル的にも。だいじなことは全然違うけどね。
物語の案内役を努めたエレノアという女性作家の女優さんが素晴らしかった。ありそうでない女性作家像で惹きつけられた。ああ、こんな感じのひとひとりいてほしいな船パリのキャストに。音楽が非常に時代に忠実であって2001年製作と思えない空気を醸し出しているんだけど、そうかあ、小説だと音楽は聞こえないもんね・・・なんてことに改めて気付くと小説版でやるべき事が見えてきたりもして。衣装はどうかな。衣装はある程度描写できるな。
1920代のジャズが流れるエンドロールを聴きながら、静かな深夜の闇に目をこらすと、真っ暗だった頭の中に少しずつ星が降り始めた。まだ、ぽつりぽつりだけど、篠山月子の物語。
篠山雪乃の秘密、山崎比呂十の心の奥。
月子の真っ白な心のカンバスは旅が終わるときどうなっているんだろう。ぽつりぽつり降り始めている星が、絶え間なく流星群のように落ちてこないと書き出すことはできないので、今週も霧の向こうに物語の輪郭をみつけようと足掻きあちこちにでかかける。

たったひとりでいいわたしの存在を信じてくれるあなたがいて、わたしもあなたを無条件に信じて、あなたがわたしを信じてくれていることをわたしはまた疑いもなく信じる。その存在の唯一無二に魂をたくしてずっと心で結びついていられたらとかそういうの。
そういうことに向かって生きているのにうまくできなくて。

「この世でいちばん透きとおっているもの」にたどりつくこと。

欺瞞や嫉妬とか欲とか建前とか形とかそういうくだらない積み荷を全部おろして裸足で歩きはじめて、そのおぼつかない足元がすこし確かになってきたと思った矢先になにか運命の大きなうねりのようなものに翻弄される。世界はいじわるだ。
そしてわたしは、ひどくひどく、ひどくひどく未熟だ。
世界のいじわるにわたしの未熟さが勝てない。わたしの純真ささえも。
じぶんの土俵で起きるすべてのことはわたしの未熟さゆえのことであるのだから。
「この世でいちばん透きとおっているもの」はいつだって歴然と傍にあるはずなのにときどきとても遠くて向かいかたを忘れたり間違ったりしてしまう。
ならばいまはすこしたちどまって、しばらくはわたしの物語ではなく篠山月子の物語に心を沿わせよう。
果敢に進むことだけが進歩じゃない。

ああ。愛とあたしの中の綻びよ永遠に。
あたしが朽ちたらその屍の上に透きとおる青に似た桃色の雪を降らせておくれよ。
空から降りてくるのか、わたしから昇っていくのか、 わからないような曖昧さで。
そして君よ、君だけは何も言わずにそっとその屍を抱きしめてくれないか。
そしてそのときには、
君を翻弄し続けたわたしの未熟さを、どうかゆるしてはもらえないか。

写真は、大富豪の恋人マリオンと、マリオンと恋仲になるチャップリン。
DVDのジャケットは「え?もっとノスタルジックにできなかったの!?」とそこだけが謎の方向性なので載せません。

|

« 松井冬子と昨日のこと | トップページ | 2月の近況報告Ⅰ(1週目) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: この世でいちばん透きとおっているもの:

« 松井冬子と昨日のこと | トップページ | 2月の近況報告Ⅰ(1週目) »