ヘルシンキ2日目
【わたしがいま、てんてこまいで探しているモノ】
ー女は世界中どこでもアレに関して女には寛大、ヨーロッパの休日とはすべてがストップする日のこと。備えのない日本人は途方にくれるー
ちょっとfunnyな日記です。
わたしがいま、てんてこまいで探しているモノ、それはタンポンです(すみません)
タンポンがわたしは嫌い。好きな人のからだの一部であっても長時間は留まらせておけない場所にそれを何時間も留まらせておくなど無理!
ってことで、ふだんその存在を無視してます。
が、わたしは出発前日に超女の子になってしまい、それなのにそんなことも忘れて、水着を用意したり(ホテルにプールがある)、室内にバスタブがないことをあなどっていました。
しかしよく考えたらサウナに入れないではないか!!ええ!
この北極圏に限りなく近く、バスタブのないホテルの中でそうやって暖をとればいいのよ!?
えっと話が前後しますが今日はヘルシンキ、休日だそうです。
レセプションで女性スタッフにバスの時刻を調べてもらっていたら、その子に「でも今日はたぶんどこも閉まってると思う。祝日だから」と。で、わたし最初祝日だと思ってなくて「あれ、でも今日金曜よね?」
そしたらイケメンだけどちょっと高圧的なマネージャクラスの男が
「金曜日だけど、とにかく今日はどこも閉まっているから(説明すんのめんどくせえ・・)」
あーなんかちょっとえらそうなヤツ 祝日なんだろ、わかってるよ。
朝ごはんを食べて、今日はひきこもって執筆しよ〜なんて思ってたら、レセプションを通ったときにさっきの女の人が(ちょっとぽっちゃりしててかわいい)
「インターネットで調べたら、今日、祝日だけど12じから夜の9じまでどこの店も開けるみたいよ」と教えてくれた。ついでサウナの時間帯をきき、
そのタイミングしかないと思いわたしはすかさず、
「タンポンてあります?」
あのイケメン高圧マネージャに聞こえないように小声でいうと、「あったかなあ・・」といいつつ自販機に案内。そこにもなくって、
「ちょっと待って。あたしのあったらあげるから」と裏に。
女はこういうとき、無条件に女に優しい。
「さがしたけどなかったわ」そう言って彼女は近所のスーパーを教えてくれた。
そこでわたし初めてヘルシンキの道を歩く。
これ、朝の9じよ。天候は雨。つまり雪。映ってないけど小雪が降りしきっている。
すぐ近くにあるときいたのに見つけられない。ここで二人目の女のひとと出会う。
(この辺おそらく住宅街なんだね)
水色のダウンを着てベビーカーを押した女の人にたずねてみる。
「この辺にマーケットがあるって聞いたんだけど・・」
そのひとも、うーんと首をかしげて
「今日休日だからやってるかな・・」
で、そのひと
「もうすこし行くと駅があるのね。そこにキオスクがあるから。タンポン売ってるかはわからないけど・・」
そういって(キオスクってこの子わからないよね・・なんて言おう・・)って顔。
しかし駅&キオスクって、英語わからなくてもなんかドンて心に入ってくる言葉(笑
そもそもキオスク英語じゃねえし!キオスクに大反応するわたし。
「キオスクね!それ知ってる!じゃそこに行きます!」
女の人は近くまでわたしを案内してくれた。雪道を慣れた手つきでベビーカーを押しながら。雪にうもれた公園を抜けるとその人のママ友が「ハーイ!」
そこで別れたわたしの背中にフィンランド語が降ってくる。
「あの子なあに?」
「なんかねーマーケット探してるんだって」
「へー」
みたいな感じかしら。
しかし!
キオスクは閉まっていた!がーん
(なんども言いますがいま朝の9じです。暗い!)
そのまま来た道を引き返すと、あの公園でさっきの女のひとたちにまた出会った。
どうだった?っていう心配そうな水色ダウンのジャケットの彼女に、
「閉まってたよう〜」と言ったら、
水色ダウンのジャケット彼女のママ友さんが、子どもをブランコに乗せながら
「何を探しているの?」と訊ねる。
「タンポン」とわたし。
「I't sooo weired(それはまた妙ちきりんな話ね)」
女の人が目尻をにゅっと下げて笑う。
「yeah , I know (そうなのよ)」
と、わたしもうなずいて笑う。
なにが可笑しくて妙ちきりんか、ここにいる3人の女はきっとちょうどに解っている。
だってここは、おそらく日本でいうと、世田谷区、とか学芸大学あたりの辺鄙な住宅街で、
その住宅街の休日の朝9じに何人か分からない外人の女の子が財布片手に必死でタンポンを探し歩いてうろうろしてるのだもの。
「なに、あなた車に乗るの?」
「違うのよ、わたしそこのホテルに泊まってるんだけど部屋にはバスタブがなくて、タンポンがないからサウナに入れないの」
「あーそうなの。でもここいらのストアはきっと今日は全部閉まってるわ。電車に乗って中心までいかなくちゃね」
真剣に考えてくれるふたりのママに向かってわたしはこういう。
「ありがとう。でも、とどのつまりはわたしがサウナをあきらめればいいことなの」
ママたちは「まあそうよね」と笑う。でも気持ちはわかるわよ、といった具合に。
「明日街に出たときに買ってかえるわ。だって明日は・・・」
言いかけたわたしにママ友の彼女が答えた。
「Yes. tommrow is normal day」
こうしてわたしは二組の親子に別れを告げ、およそ20分のタンポン探しを終えホテルに戻った。
ホテルではスタッフの彼女がわたしを待ち構えていた。
「あのね、インターネットで調べたらそのストア12じからだったの それでわたし他の女性スタッフにもきいてみたんだけどみんなタンポン持ってなかったのよ。ごめんね」
※彼女はなんでもきちんとインターネットで調べて裏をとる。が、裏をとってから教えてくれるのではなく、見解を述べてから裏をとる。そこが可愛い(笑
わたしは「大丈夫、大丈夫」と答え、たずねた。
「教えてくれたストアってもしかしてすごく近い?よね?わたしずいぶん遠くまであるいてキオスクまで行ってしまったの。でもそこも閉まってたのよ」
彼女は答えた。
「うん。すぐそこよ。とっても小さなストアだけど。右に行ってすぐ左に曲がれば、あるわ」
「12じからなのね。りょうかい」
わたしは答えて部屋に戻る。今日は12じからストアに行ってタンポンを買いサウナに入ろう。そして街にでるのはNomal(ノーマル)な明日にして、今日は一日、小説を書こう。
今日朝の9時から10時の間に、すくなくとも3人のフィンランドの女の人がわたしのタンポンのために瞬間的ではあるけれど一生懸命になってくれた。
女は世界中どこでもアレに関して女には寛大、ヨーロッパの休日とはすべてがストップするほんとうに「休」む日のこと。備えのない日本人は途方にくれる。
そしてわたしがヘルシンキに着いて、いちばん必死に、てんてこまいで探したもの。それはタンポンでした。
最後に朝食の写真を載せます。
この本棚に惚れて、わたしはこのホテルを即決したのでありました。
子どもの頃から、男よりも自然にずっと傍にいれくれたもの。それは本棚なのであります。
進学塾に通っていたときですらその時間のほとんどを塾の図書館で過ごしたわたし。
日芸のときも授業をさぼって昼寝するのはきまって図書館の長いすでした。
本棚があると無条件に安心する。美女と野獣で、野獣が本棚の間にベルを案内するシーン。いつもうっとりしてしまいます。
左/わたしの席〜♪ 右/ これって盆栽?
北欧のビュッフェなので、なんか嗅覚的にいつかのIKEAのビュッフェを思いだしました。
IKEAのビュッフェが思っていたより美味しくて、しかしサーモンだけが驚くほど不味くて笑ったものです。
この時期にフィンランドに行くというと「ほとんど夜だよもったいない」と人は言います。
しかしたったひとり「ずっと夜なんて最高じゃんか」と即座に言ったひとがいて、わたしはそのひとのそういう感性がとても素敵だと思いました。ずいぶん昔の話です。
そしてそのひとの言葉通り、長い夜はたしかに最高なのでした。
そのことを教えてあげたいしその夜を見せてあげたいけれど、その言葉がどれくらい本気で発せられた言葉なのかはいまのわたしにはわからない。
フィンランドの人はみなほんとに抜群に英語が通じます。そして英語にまったくアクがない。パリともイタリアとも違う。
あと1時間したらようやくストアがあいてタンポンをゲットできる。
そしたらわたしはゆっくりサウナに入りながら小説のことを、ただ小説と物語と、そこを生きる、わたしにとっては生身の人間である登場人物、JUNEや皇矢やSHUや、はたまた雪村芙美子や、これから書く新しい誰かのことを考える。
現在11:00AM 日本は18:00PM
※業務連絡ですが、ホテルのサーバーからだとなぜかコメントが返せません。
昨日頂いたコメントは昨日のブログの本文の最後にコメント返させて頂きました。
もっとうまいやりかた探します!
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コメント
もかこさん、なんてステキな体験をされているんでしょう~。そういうことでもなければ、住宅街を歩いて現地の人と会話することもないかもしれないですものね。北欧の人の温かさに、わたしも触れた気持ちになりました。楽しんできてください。そしてそこから再生される物語も心待ちにしています。
PS
それにしても、ビュッフェ・・・何かの広告の写真かと思いました。本棚のある食堂なんて素敵すぎですね☆
投稿: まほ | 2012年1月 6日 (金) 21時03分