« 出発 | トップページ | ヘルシンキ2日目 »

2012年1月 6日 (金)

ヘルシンキ着!

20120106_0020_2
じゃじゃーん。ヘルシンキのホテルです!

 

外は雪が積もっています。わたしの部屋は一階。ベッドふたつありますが、わたしはひとり旅です(笑)「誰か素敵なGUYを連れこんでもいいですよ?」というサービスでしょうか?
ともあれ執筆旅行でもある今回の旅、大きな部屋をシングルの値段で提供していただいたことはありがたい。空間にゆとりがあるときもちも豊かになれるからね。わたしの部屋は一階の125です。空港とヘルシンキ中心部の間にあるホテルなので、まだまだ街の様子はわかりません。都心が好きなわたしは最初「失敗したっ」と思ったのだけど、よく考えたらそのほうが、執筆日と、ヘルシンキを味わう日に分けられるし逆にいいことに気がつきました。
それになによりヘルシンキ中心部はモダンなホテルばかりで、わたしはこの北欧っぽいつくりのhotelhaagaに一目惚れしてポチっと押したわけなので、この内装を大変気に入っています。
Webimg_1986

Webimg_1985
いざ出国!!

Img_4691
これは飛行機から見えた雲。あまりにモコモコして綺麗だったので思わず。
時間を逆さに飛んでるわけなので夜が一度も来なかった。

そして雲の隙間に小さな街が見えるときにいつもこう思います。
ここにはわたしがあったこともない人たちがたくさんたくさん暮らしていて、ここにも恋があったり、誰かと誰かが暮らしていたり、東京でわたしを支配している恋だの愛だの夢だの生活だの家族だの人生だのが、ちょうどの分ここにも存在するんだ。こうやって雲の隙間から一瞬しか見ることができない、この街でも

そして、いたく不思議なような、腑に落ちたような気持ちになって思うのです。
知ってるひとたちから遠く離れて、この美しいモコモコの雲の上にダイブして、この知らない人たちの街に向かって垂直に、飛ぶように堕ちていく。心もちはとても爽快で、ある種恍惚の絶頂に向かってのぼりつめていきながらからだはとことん引力に従い堕ちていって、そのマックスの交点のところで気絶して死にたい。

そんなことが美しい思想として頭に浮かぶくらい、窓からみた景色は、なにかの垣根を超えていた。
Img_4645
これは窓にはりついた氷というか雪の結晶。北欧に向かう飛行機ならでは。

寝れないよりはずっといいのですが、離陸から4時間くらい爆睡してました。
ちょっと起きてまた寝て、そのあと本を二冊読みました。
壺井さんが編集された、よしもとばななさんの「スウィート・ヒア・アフター」と江國さんの「号泣する準備はできていた」です。
よしもとばななさんの本は、内容がどうこうではなくこの、地に足のついていない空の上で読むことが重要な気がしていたのですが、小説の中に、

心臓がもともと悪かった女が朝起きたら発作で死んでいて、その恋人は傷心で実家のある山梨に帰る

というくだりがあって、このくだりをこのタイミングで読むことはわたしの中では、遺言といってもよい予感をともなうひとつの大きな事件でありました。作中のそれ以外の言葉が何も意味をもたなくなってしまったくらいです(悪い意味ではありません)。

号泣する準備はできていた」はもう3度目なのですが、この作品が直木賞を獲ったというのがほんとうに納得できる、やわらかくとりとめのない江國さんの作品の中で、ある種の感情の塊を強く強く凝縮して実はものすごい熱量をもって書かれているのだという、なんか殴られるような小説でした。
数年にわたり3度目になって、ここに書かれていることのほんとうの危険さを、わたしのからだは覚えつつあることに気がついた。そういう歳になったのだ、そんな気がした。

一人の男をちゃんと好きでいようとするのは、途方もない大仕事だ

このことばの「途方もなさ」がどんなものであるか言わずともからだに聞けば教えてくれるくらいにわたしは沖まできてしまったのだ。
江國さんの小説はいつもわたしにわたしを返してくる。吉本ばななで驚いて、江國香織でわたしに戻る。そんなことを15歳くらいからくりかえしている。
もかこちゃんとわたしはね、似ているの
それは作品のことではない。わたしと江國さんの作品は全然違う。でも似ている。何が。
女としての女々しさと鬱陶しさ、または得体の知れない怖ろしさ、のようなもの、をとめどなく内包して、それを男性にてらいなくぶつけてしまって生きていること。いや知らないうちにそうなってしまっていること。そしてそうならないという状態がどういうことかわからないこと。

あのね、ブラインド越しだと雪景色がよくわからないからブラインドをあげてみたんだけど、結局はブラインドがあったほうが、いい写真が撮れたのよ

 Webimg_2018  Webimg_2019
たとえばこれを好きな人に言ってみたとき、言ってみたそのときから、もうそれは言いたかったことではなくなってしまっていること。
右往左往してブラインドをあげてみたのに思ったより間の抜けた景色でがっかりしたこと、電気を消したときに自分が映し出されて、ここはほんとに
東京じゃないんだって思ったこと。この知らない街でひとりいまから寝ようとしている自分を少し好きでいられること、すこし自由でいられること。
それは東京のしがらみから開放されていると同時に、開放されているはずなのにやっぱり恋しいと思うこと。
それらのいろいろがふた
たびブラインドを下げたときにやけにストンと胸におちて、急に声が聞きたいなと健康に思ったこと。その魂が健康であることで喜びが生まれたこと。
そういったことのはずなのに、そういう肝心なことが声にしたときには全部逃げてしまっていて言葉は単なるブラインドの上げ下げの話になり、それをいきなりにぶつけられた男の人は困惑する。そうやっていつも男の人を困惑させて生きている。
そういう生きかたが、たぶんわたしと江國さんはすごく似ている。

Img_4736 Img_4738
Img_4741 Img_4742
Webimg_2006

「北欧で英語話せないひとなんかおらんから」というあやめっくすの言葉通り、
空港の人はみんな流暢な英語を話します。わたしはボケっとしてて、乗り換え便のところに並んでいたらしく、ヘルシンキ滞在の人は「EXIT」にどうぞと優しく言われて、
ようやくEXITしたならば、長いベルトの上にわたしの水色のトランクだけがぽつんと放浪しており、これはわたしのいくつかの世界旅行の中でも初めてみた光景でした。
(いつもはまだかまだかとじりじり待つよね〜)

ホテルが都心でないことを知ってたわたしは、あとでお腹すいても困ると、空港でがっつり食べました。サーモンとチーズのクリームパスタ(きしめんぽいやつ)、おそらくアボカドのスープ、サラダ。そしてビール!全部すごく美味しかった!空港でこれなら、今後の食生活には期待が持てる。
Webimg_1979

そういえば出国前はうどん食べました。これも旨かった!!!食はいい感じの引きです!

Img_4745
これ午後の4じですよ。真っ暗!!白夜の逆ね。
空港からタクシーでホテルへ。3500円くらい。近いよね。

そんなこんなで現在に至ります。
20120105_2136_3
これ多分フィンランドのビール。

執筆ありきなんでPC環境をまず整えて次iphoneを設定。
こっちのSoneraっていう業者に切り替えして、かつ部屋のなかではホテルのWifi使うという・・・taeやれいこさん、みいき、あやめとスカイプしました(笑)
こちらはまだ夜の9じです。

しかし日照時間が短いので、もう寝て明日街にくりだします。

がっつり執筆始めたらブログ更新もできないかもしれませんが、気分転換にちょこちょこやりたいと思います。

執筆のことを考えながらの旅行ですので、ブログもやや執筆メモというか、
物語と現実のはざまみたいな感じになってしまっていますが、こんな感じが鬱陶しくなければおつきあいくださいませ。

ではお休みなさい!w

*******

名古屋のMさま
はい。ベッドはひとつ空いています。残念ながらダブルベッドではないですが(笑
しかしSKEはさすが、いろんなことを押さえてますな!感心しますよ。また戻ったらお会いしましょう!

Toroさん
真夜中に?さてはあの店でイタリアワインを飲んでいたのですか?(笑
開放されるということは美しいことです。
でも同時に、何かの感情に縛られるという前段階がなければ開放にも気がつかないのだと思うと、なんだか妙ちきりんな気分なのです。納得できるような納得できないような。

|

« 出発 | トップページ | ヘルシンキ2日目 »

コメント

世界を駆け巡る作家先生、お元気ですか。フィンランドに行かれているとはびっくりです。
ベッドが空いているようですが、今から名古屋を出て間に合いますでしょうか。
SKEの歌にフィンランドミラクルというのがあり、最近はそれにはまっていて、フィンランドに食いついてしまいました。
youtubeで探せば見つかりますので、お暇があれば是非お聞きください。
充実したご滞在と、無事のお帰りを祈念いたしております。

投稿: 名古屋のM | 2012年1月 6日 (金) 09時47分

あなたの言葉を読みながら涙が溢れてしまうのはいつもの事。
夕べ真夜中に聞いたあの人の声が耳から離れないせいでしょうか。
旅から戻ったあなたに逢えるのはずっと先かもしれないけれど
その時にはきっと話したい事がたくさんありそうです。
素敵な時間をたっぷり過ごしてきてね。

投稿: toro | 2012年1月 6日 (金) 11時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 出発 | トップページ | ヘルシンキ2日目 »