metro「引き際」本日初日!!!
わたしが敬愛する先輩、月船さららさん率いるメトロ、相方の出口結美子ちゃんの女優引退をうけて、さららさんがひとりで全部を背負って再出発した新生メトロ、新生メトロになってから初の公演がなんと、本日から赤坂REDTHEATERで行われます!
小劇場からの中劇場へ。
その、最終通し稽古を見せていただきました。
なんと!天願監督の隣の席で(汗)
なんていうか・・・・・・
この作品は、見ておかなくてはいけない作品です。
役者はみなさまもちろん、才能と感性に溢れ世間を唸らせてきた名俳優ばかりですし、
芝居もすばらし
い、セットもおもしろい。
しかしなによりも、この鬼才「天願大介」という映画監督の、
鬼才感がそれはもう狂気に近いほどの圧力でそこにあるのです。
いままで古典や名作を下敷きに脚色という形で異彩を放ってきた天願監督の、
震災を踏まえて書いたという、この究極のオリジナルの戯曲が、、、、、
すばらしい!ことばがでません。
「引き際」に関しての対談で天願さんはこうおっしゃっていました。
「演劇の良さは、その即席性にある」と。その日あったことをその日板に乗せられると。
映画であれば、撮るまでに時間を要し、それを作るのに時間を要し、完成しても、上映できるかすらわからない。
その映画の畑で仕事をしている人ならではの、演劇という土俵をフル活用した俊敏性のある戯曲であり芝居だと思いました。
わたしは芝居畑であったので芝居でできることに対する感謝に欠けていたなあと思うほど、
芝居ではあたりまえであることが映画ではあたりまえでない、その映画の不自由さを知り尽くした人が、演劇という土俵でできるキラキラした部分をあますとこなく生かした、といえるのがこの公演だと思います。
そしてまた作家としても、じぶんは、
「やはりここまでの鬼気迫るものを、吐き出していかないといけない」
「ぬるぬると書いていてはいけないのだ」と、頭をハンマーで殴られたような気持ちでした。
ちいさくまとまっている場合ではないぞ!とね(笑
でもこんなものを書く、そして上演するって、すごいすごい勇気が要るよ!!!
震災前から何かを書こうとし、震災をへて何かを書く。それはべつに震災をとりあげるということではないんだけど。このハンマーショックは船パリに絶対に生かそうと思いました。
このひとの体の中に潜んでいる「野心」というか「飽くなき魂」はなんなんでしょうね。
自分も正直、生活や家庭やいち女の幸せなんていうものを放り出して、
女の割には男に負けない根性で、芸術を駆けてきたつもりでいます。
けれどこのひとを見ると毎度全部の熱量がかなわない、と思うのです。
なのでわたしはこのひとの背中を追いかけるのです。
公演を立て続けに打ってるわけではないけど(うちは昼寝劇団だから)、何度か主宰していればその精神的なプレッシャーや
圧力
は想像がつきます。その中で、鬼才・天願大介と対峙し、演劇界に名を刻んできた大先輩役者陣と堂々と渡り合い、合間に製作のことでも走りまわり、
紅一輪として、この「引き際」の舞台に立つ。
器用な女優さんではないと思うのです。でも人を惹きつけるものは妖気なのだなっていつも思います。さららさんは、台詞まわしも独特でけして自然な方ではない、クセがあるタイプで、でもその感じがまたいいのです。なんか生々しくていいのです。そして舞台という板の上に乗るならば、女優は生々しくあるべきだと思うのです。
圧倒的な熱量が稽古場を埋め尽くしていました。
2011年のいま、演劇をしているなら絶対みなくてはいけない芝居だし、
2011年のいま、日本人をしているなら絶対みなくてはいけない芝居です。
みなさん劇場へGO!個人的には若松武史さんの芝居にアングラの年輪を感じ、村上淳さんの、自然な佇まいと感性に90年代の映画を率いた二大巨塔の圧倒的存在感を感じました。そして生活を感じさせる芝居が温かくていいなあと思った柄本時生さん。
って書いてみると豪華キャストすぎじゃね!?日本映画の歴史になくてはならなかった人たちと日本の演劇の歴史になくてはならなかった人たちの饗宴。
詳細はこちら↑ 13日木曜日までです。
個人的にはひさかたぶりに天願監督にお会いして
「お、ちょっと作家ぽい顔になってきたな」と言っていただけたことが嬉しかったです。
元メトロの結美ちゃんも稽古場にお手伝いに。やっっぱりこのふたりのショットはおさえておかなくてはね!
さららさんと〜♪
みなさん、「引き際」みないと損!!!!
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