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2010年8月12日 (木)

jataka-世界はくるくる回ってる-

 

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ここの役者たちはどうしてこんなにすてきなんだろう。と、いつも思う。
私利私欲であるとか、恥じらいであるとか、自分を守りたいきもちであるとか、からだに纏わり付くイッサイガッサイをすべて捨て去って、無防備に、貪欲に、物語に身を投じてく。

その様は、高い高いところから美しく落下する飛び込みのひとたちのような潔さもおぼえるし、どこか崇高なもののようにも思う。

彼女彼らの目に映っているけしきを、あたしは見ていたよ。
彼女彼らの姿はもちろん、その目に映っているけしきを、あたしは見ていた。

さみしいことに、一生懸命芝居をしている役者のその目の玉に、なにも映っていないことって、あるんだよ。その目に、なにも映っていない。
そんなとき、さみしくて、ばかばかしくなって、それは男がつくありきたりの嘘のように空しい、示されたことになんの実態も感じなくなってしまうんだ。

でも彼らの目は、おととい海で見た水たまりのように、はっきりくっきりと、景色を映し出すんだよ。そんなとき、あたしは、おもってもいないところで、ぽろぽろ、ぽろぽろ、泣いてしまう。

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麻衣子がつくるものは13年前からなにも変わらない。どんどんどんどん、役者が良くなっていっただけ。麻衣子を理解できない役者から、麻衣子と同じものを見てる役者たちに。
江古田のせまいストアハウスで、13年前、「せまいのにひろい」って感覚が存在することを初めて知った。せまいのに、果てしなく広かった。

見ているひとの想像力を信じること。そういう芝居がいますくない。 なんでも教えてくれる。でも「僕はカラスです」と言えば、人のかたちをしていてもカラスに見えてくるんだよ。それを教えてくれたのは串田さんだった。 串田さんと一緒にやってきた麻衣子も、やっぱり見ているひとの力を信じているね。 麻衣子が芝居をするたびに、終演後からだがふるえてすぐには立てなくなるのはなんだろう。遠いのにとても近いんだよ、麻衣子のしていることは。

「それっておこがましくないか」とたかやに言われたけど、
あたしと、麻衣子と、ちほが見ているもの、感じていること、は、たぶん、すごくすごく、近いところにあるんだよ。ただ、「していること」が違うだけなんだ。そう、たしかに誰かと自分を「似てる」ということはもっともおこがましい行為だと、わたしも思うのだけど。
でももし、それが思い込みだとしたら、死ぬまで信じられる嘘のように、
そのことをあたしは信じているんだ。

麻衣子の中にはいつも5歳の子どもがいるね。そしてその5歳の子どもは、生まれてくる前やその前やそのもっともっと前に自分に起きた出来事を、うすぼんやりとだけど覚えている、そんな気がするんだ。

そんなことを思うんだ。

『生きていることが美しいと思える状態にいつもいたいと思う。
でも、そう感じられない時も(時期も)あるわけで、
できればいつもいつも世界を美しく感じたいなと思う。

そんなことの作品になっていきたいと思うのです』

こんなメールを麻衣子はくれた。2月だった。
パリから帰ってきてあたしはいろんな意味で放心してた。

でも強く思ったよ。

そうだね麻衣子。あたしもそう思うよ。強くそう思って、日々、作品をつくっている。

15日(日)までやっています。
ぜひみなさん、観てください。

麻衣子の世界といしいしんじさんの世界があまりに近しい感じをうけるので、いしいしんじさんの本を買ったら、表紙が今回の芝居のチラシにどことなく似てるオドロキ!そして麻衣子にいしいしんじさんを推薦したら、稽古場ですでに「トリツカレ男」をやっていたというびっくり!!

公演詳細はちほさんブログがわかりやすく載せてくれてます。
http://hintmint.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/muibojataka-0a2.html

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