« 上海バンスキング!(4回目!!) | トップページ | Chara~~~~♪♪ »

2010年3月15日 (月)

上海バンスキング千秋楽

Img_2724
2010年3月14日、幻のように渋谷に現われた、セントルイスのジャズメン達が、歌い、笑い、冒険と涙を振りまいて、風のように去っていってしまいました。

わたしはこの3週間と少しの間のできごとをきっと一生忘れないと思います。
バクマツやシローやまどかさんが、目の前に現れたこの20日あまりの出来事を。

この舞台をわたしは5回、ちほは7回観たわけですが、上演中なんども思わず口にした言葉は、

魔法みたい…」

でした。

だって、絶対に叶わないはずの願いごとが叶うって魔法みたいでしょ。
たとえば十年前に亡くなった勝部のおじいちゃんにもういちど会いたい、とか。
誰もが幸せでいられる地球にしてください。とか。
マイケルにもう一度歌ってほしい、とか。きよしろうに会いたいとか。

でも多分去年までは、このリストの中に、
上海バンスキングを生で観たい
が入ってたの。絶対叶わないって思ってるけど諦められなくて、どうしても願ってしまう願いごとの一つに。
だから魔法みたいだったんだ。

目の前でデコさんが歌ってる。

バクマツがラッパを吹いて、ラリーさんが現われて、リリーがいる。
信じられなくて何度も劇場に行った。

芝居をしてると、今まで当たり前に思ってたシーンがちょっとしたことで全然違うあたらしいシーンになることがあるんだけど、昨日ね、まどかさんが、
この町には、人間を不幸にする夢が多すぎるんだわ
って言うせりふで泣いてしまったの。(いつもは泣かない)
それを見たバクマツが、いっぱいおどけてまどかさんを笑わせるんだ。
もとはと言えばバクマツの「日本に帰ったら?」がいつもよりすごく優しかったからまどかは泣いてしまったんだけどね。

今までこのシーンは、そんな風に見えなかったけど、(ほら、ケンカの流れで「帰ったら?」ってくだりに突入してくので)、
はじめてほんとうに心で、
まどかはシローを待ってるんだ」と思って、このシーンのバクマツのテンションは、まどかへの優しさなんだってわかって、その前のケンカのくだりですら温かく感じて、
「ああ、ここってこういうシーンなんだ」って思ったの。

だからそのあとの「バクマツがいなくなったらシローも帰ってこないだろうし」
って言葉が凄く胸にささったのよ。

芝居ってすごいなあって思います。30年やりつつげてもこうして新しいシーン、新しい心の動きが生まれていく。
弘田が蟹缶もってくるシーンも大好き。すごくまどかが好きなことがわかる。
いやあ、誰もいないかと思った」っていう最初のセリフからもう温かいんだ。
だって人間て複雑な生き物だもの。悪者といい者なんてほんとはいないでしょ。角度の問題だから。
弘田を小日向さんが演じる意味ってすごくあるなあって思います。

正直千秋楽のチケットがとれたのは奇跡で、いまでもよく取れたなあと思います。
少々値は、はったけど(オークションだった)それでもあの金額で落とせたのは奇跡。
「いまここで観てることも奇跡なんだって思いました」
そしてそんな奇跡がたくさん繋がった3週間でした。

Img_2729
この熱気!お客さんたちがクラッカー鳴らして串田さんたちを迎えて、なんて素敵だ!と思ったよ。
Img_2717
Img_2726
Img_2721
みんなこの笑顔です
すばらしい!!
Img_2728
撮影しているちほを撮る。
この人は今日本にいる30代女子のなかではベストオブ、「上海バンスキングを愛している人」でしょう(笑 

Img_2730
終演後ロビーにて。この日は二人で行ったので、思う存分、居残り。
このロビーでたくさんの人と会いました。
車椅子のおじさんと多分その奥さん。3日の送り出しのときに一度見かけてて、
写真をとってあげることになりつつ「3日もいらっしゃってましたよね?」って声かけたら、
そうなの!」となり、なんと今日はチケットとれなかったから送り出しだけに来たんだって。
そしてもちろん六本木の自由劇場から通ってるんだって!すごい!

あとはちほさんのブログから繋がった、上海バンスキング大ファンで、自由劇場のファンクラブの方。解散して13年?ずっとHPもそのままにしてたんだって。そしてなんとちほのライブにもいらしてくださったそう。
あとは花タンにも来てくださったダイアモンドクラブの宮本さん。
六本木の劇場で上海バンスキング行ったとき、最前列で足踏まれたんだから!」
って得意げ(笑

そういえばもう一つ嬉しいことがあって、上海バンスキングの音楽を監修している瀬川さん(入場時流れてるレコードは全部瀬川さんの)、ちほに「ウェルカム上海を歌いなさい」って言ってくれた瀬川さんのはからいでこんなチラシが!

Img_2735
なんだこれ~!!瀬川さんの監修で!このミュージシャンで!
ちほが歌う!?ちほってあたしの友だちだよね?
わたしこのチラシみたとき感動のあまり泣いてしまいました。
だってさ13年前に上海バンスキングの魅力にとりつかれたひとりの女の子が、
ここまで上海バンスキングに近づくことができるなんて。
♪ああ、夢が 多すぎる。
ほんとうに冒険もまた、熱い涙です!

そういや友人田中麻衣子の演出「罪と罰」に出てて、わたしとちほが惚れたすてきな役者の男の子がいて、その子松本の蕎麦屋の息子なんだけど、なんと今回の上海バンスキングに出てたの!あたしとちほと、なんだか自分ごとのように「やっぱりね
とかって鼻高々になっちゃった。セントルイスでバクマツに、将校からのリクエストを持ってきたのがその男の子です。すてきな役者さんなんだ。

そして手土産ができたわたしたちは楽屋へ~~~。
幕が開くまでは楽屋にいけるはずもないわたしたちでしたがこの3週間にいろんなことがあって(詳しくはこのブログをさかのぼってください!!)
今回は誰かのお供でもなく二人で楽屋へ。
本当は、ばらしたパネルのかけらでもいいし、笹の葉一枚でもいいので、舞台に置いてあった何かを頂いてお守りにしたかったんだけど、千秋楽→ばらし で串田さんもばたばたするであろうので、言い出せず写真を一枚一緒に撮って頂きました。
ちほはチラシを串田さんにわたしました。
それにしても二人とも頑張ってるな
10年越しに串田さんから頂いた言葉。

どうしてそんなつまらない芝居しかできないんだ?」と言われたあのときから十年ぶりのリベンジです(笑

役者で食って生きたいと思い上京して上海バンスキングに出会い、
上海バンスキングの背中を追いかけてここまで頑張り、
あたしたちようやくプロの作家と歌手になりました。

そして今度は「何をこれから表現していくのか。何を冒険するのか
問いかける毎日の中で、また新しい上海バンスキングに出会い、
また大学一年生のあのときに戻ったみたいです。
あたしたちほんとにまだひよっこだ。だから冒険していいんだ。夢をもって
そう思わせてくれたこと。

あと、あのお客さんたちの笑顔。
わたしとちほはこの二週間で、劇場であっただけの知らない人とどれだけ抱き合っただろう。

「デコさん可愛いね」「シローもカッコイイネ」「上海バンスキング最高!」
「おかえり上海バンスキング!」「バクマツ~!」


こんな言葉を交わして、その場で抱き合うことができた。
こんな演劇を、久しくみてなかった気がするんだ。
3回も4回も劇場に人が足を運ぶような芝居を。

そう、そんなものを、作っていきたいんだよ。
そこにそのひとたちが居るだけで、お芝居になってしまうような。
そんなものを。

♪あのときあなた来てました、ラストナイト
 だから声かけてあげましょね


30年経った今、「あのとききてたあなた」が客席には溢れて。
この歌詞が本当の輝きを放ってた。

Img_2731

自由劇場のみなさん、夢と愛をありがとう。
一生忘れません。

|

« 上海バンスキング!(4回目!!) | トップページ | Chara~~~~♪♪ »

コメント

素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。

投稿: 村雨時雨の出会い | 2010年3月15日 (月) 15時43分

ありがとうございます!
どこからきてくださったのでしょう。日本にはお住まいではないのですね?
コメント嬉しいです。ありがとうございます!

投稿: もかこ | 2010年3月15日 (月) 16時50分

もかこさん、こんばんは。
自由劇場HPのフロアマネージャー。ダッチこと三澤です。
毎日「上海バンスキング」のキーワードでブログを検索してもかこさんと熊田さんの熱い熱いブログに巡り合いました。

初日に観たときは正直「大丈夫だろうか」って感が拭えなかったのですが、楽日では台詞が飛ぼうが立ち位置が違って段取りが狂いそうであろうが、アンサンブルがしっかりしていて安心して観ていられました。

>>「この町には、人間を不幸にする夢が多すぎるんだわ」
の台詞のところ、妙に間が長くてわざと溜めてるのか詰まってるのか私の席からでは判断できなかったんですが、そんな感じになってたんですね。

下丸子のチラシを見せていただいて驚きました。
瀬川先生とは面識は無いのですが(何度も色々なところでお見かけはしていますが)制作の伊庭さんがリーダーを務めるローグス」というビッグバンドのライブには足繁く通っていて、高橋達也さんの最後の演奏も聴いてるんですよ。

なんとか都合つけて行くようにしたいと思ってます。

であであ。

投稿: ダッチ | 2010年3月15日 (月) 19時22分

ありがとう。いいものを読ませてもらいました。
会社でちらっと読んだときにほろっとして慌てましたよ。

「日本に帰ったら?」のシーン、最初は何か台詞が飛んだのかと思うほどに、これまでよりも長い間合いだったような気がしてました。そしてなんだか毎回(7回見させていただきました)違った間合いのような。毎回、まどかとバクマツ、それぞれが込める思いの違いでしょうか。それは今回の公演全体に言えるのかもしれません。これほどリピートしたことはほとんどないのですが、こんなにも毎回緊張感を持って新鮮に観られた舞台は初めてでした。

幕は降りてしまいましたが、今回買った本(「昭和のバンスキングたち」は一度処分してしまったので買い直した。あと「大上海」)を読んだり、昔のビデオを見直したり、CDを聞いたり、まだしばらく浸っていそうです。

投稿: いなさわ | 2010年3月16日 (火) 02時55分

ダッチさんへ
ありがとうございます!千秋楽の日に自由劇場の名刺を持ってちほと話してた方ですよね…?
わたしも初日は、デコさんの身体のこととか、たくさん心配で(余計なお世話ですよね)どうか、みんなが無事に楽日を迎えられますようにって祈ってました。

こんな風に、上海バンスキングを通じて出会いが生まれたこと、とても嬉しく思います。

また4月15日にお会いできたらいいですね☆

いなさわさんへ
わたしはいなさわさんんが作ったロビー演奏のDVDにきゅんきゅん♪きてしまいましたよ!あれわたしも欲しいなあ(笑
「日本に帰ったら?」のシーンは、わたしも最初は遠目だったのでどちらかがセリフを忘れてるのかなと思ったりしてました。でも数重ねてみるうちに、ここはマドカとバクマツのほんとうに繊細な、無言で空気を交し合っているところがあって、それによって気持ちが本当に動くまで間をとっているんだなって思いました。
実際演者が何を考えていたかは計り知れませんが、
いち視聴者としては千秋楽のあの形はひとつの結実で、
斉藤憐さんが描いた物語がまたある新しい角度から浮かび上がってくるのを感じて胸が震えました。

読んでくださってありがとうございます。

投稿: もかこ | 2010年3月16日 (火) 05時57分

あっ!!
表紙に俺がいる~!!!

投稿: しんたろう | 2010年3月19日 (金) 06時12分

しんちゃん

この写真なんかいいでしょ。あたしのすべて(なんかくつろぎ、物語、イメージ、音楽、空間、好きな絵)がいっしょくたになっててさ。

その重要な役割をしんちゃんは果たしてるわけ(笑

投稿: もかこ | 2010年3月19日 (金) 13時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 上海バンスキング千秋楽:

« 上海バンスキング!(4回目!!) | トップページ | Chara~~~~♪♪ »