恋とアイスクリーム
【papyrus / パピルス vo.24 JUNE 2009】
本日発売です。
幻冬舎さんから出ているパピルスに、
短編を一本掲載しています。
読みきりの短編で、「大人の恋」特集の一本で、
”恋とアイスクリーム”というお話を書きました。
知ってるひとは知ってる、わたしのタンスの肥やしになっていた、映画用脚本「憂鬱な魔女の金魚な数日」の番外編っていうところです。
新しく書きました。
憂鬱な魔女…をご存知の方、登場人物のモカティーナは名前をマドカに変更しました。しゃれで遊べる範ちゅうをこえたので(笑)
挿絵が可愛いんです。ほら♪
ーもう彼がどんなに努力しても、私を心から笑わせることはできないー
これは冒頭のコピーです。編集者の壺井さんが、原稿から(正確には草稿から)抜粋してくれました。わたしはこの言葉をこのお話のなかでとても大切に書きました。
壺井さんにとってもそうであったんだということはうれしいですね。
自分でいうのもなんですが、可愛いらしい話です。
ストーリーは決してかわいくないのですが、
わたしは、映画のワークショップで、この脚本が、かなり辛辣に却下になったときから、
この物語、この世界をとても愛していたので(しかし脚本は書き上げなかった)
番外編を皮切りに、この世界をもういちど見れるというか、そういう意味で書いてて楽しい作品でした。
こんな街に住みたいなあって思ってもらえたらうれしいです。
個人的には、物語が先か、現実が先か、ほんとうに不思議だなって思うのですが、
自分の生活と物語がリンクするようなことが起きて、
べつべつの街に住むふたりの女が、同じように悩んでいる気分です。
作者と一心同体で、連動しているようで、実はお話のほうがずっと先をいっていたり、
はたまた勝手に展開していったり。
物語と作者の距離感は、いつも、すぐそばのようで、遠いどこかです。
短い話なので、お菓子を食べるように読んでもらえたら。
more info.... http://www.g-papyrus.jp/
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コメント
今日、パピルス拝見しました。
桃果子さんはこんなお話も書けるのかと、その引き出しの深さに感心しました。
うん、確かに可愛いお話でしたよ。リアルな恋愛模様を描いているのだけど、少しおとぎ話のようでもあり、わたしにとって新触感でした。
「もう彼がどんなに努力しても、私を心から笑わせることはできない」
その意味が、読み進めていくうちにだんだんはっきりと輪郭をあらわしてきて、なるほどな~、わかる、と、共感してしまった。決定的な瞬間に、愛が泡のように消えてしまうことってある。二度と前の感情が戻ってこなくなることってありますよね・・・。
ちなみにわたしは、既婚ということもあり、マドカさんに感情移入して読んでしまいました(笑)。マドカさんの目線のお話も、いつか読んでみたいです。
投稿: 真帆 | 2009年6月 4日 (木) 16時22分
真帆さん
長編があとから世にでるという逆の順番になってます(舞台用の戯曲を今月小説にするんです)
「恋とアイスクリーム」は実は長編「憂鬱な魔女の金魚な数日」という物語のスピンオフなんですよ
それの主人公は繭子なんですが、かなりメインにマドカが出てきます。もともとはマドカはモカティーナという名前で(笑 察しのとおり、マドカ目線のほうが強い作品なんですよ。本編をまだ再構築してないので、ワンクッションおいて、イッペの浮気相手にフォーカスしたスピンオフを書いたんです。もともとはマドカありきなんですよ
投稿: もかこ | 2009年6月 5日 (金) 06時38分
真帆さんへ追伸
上記のこと、日記にかいてますね
どんなことかいたか忘れてしまってて。
読んでくださってありがとうございます!
マドカ目線は、書き下ろし本編にでてくるので!
投稿: もかこ | 2009年6月 5日 (金) 06時41分
おはようございます。そうだったのですね~!

まだこのストーリーが続いていくのですね♪マドカさんから見た世界もまたおもしろそう。楽しみがひとつ増えました。新しい小説のタイトルもかわいい~
投稿: 真帆 | 2009年6月 5日 (金) 07時51分