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2007年6月27日 (水)

「THE BEE」を観た日。

役者という職業は、ほんとうに忍耐の必要な仕事だと思います。でも細々とでも表現しつづけることがほんとに大切だなと思う。

テレビや映画に友人や知り合いが出てるのも楽しいものですが、大学時代の芝居バカたちが、ひょこっとのったバスの中吊り広告にクレジットされてたり、昔なら「観る」ことしかできなかった規模の劇場に出演してるのを見ると、感動はひとしおです。
しかし最近そんなことがけっこう多くて、あたしは嬉しい。

この日記は長いです。

昨日はオフでした。

野田MAPの「THE BEE」を観にいきました。
シアタートラムという劇場があたしは大好きです。
そこで野田MAPを観る。
最近技を覚えて、完売のチケットをオークションで、定価で落として、ちほと観にいきました。

つい最近水戸で、後輩が主演した芝居の相方の女優さんが、元宝塚のひとで、あたしが昔お世話になったひとだったという偶然を話しながら劇場に入ると、もぎりの子がひとつ下の後輩で、「えー!!何やってんのー?!」なんて騒いでると、
「麻衣子さんとまともさんも中にいますよ」という。

えーー!!
麻衣子はあたしが唯一才能を認める演出コースの同期で、在学中は仲が悪かった(笑)でも卒業してからは仲良くなった。今は串田さん(串田和美)の演出助手をやって長野にいる。
もうひとりのまともくんは、ほんとに素晴らしい役者で、わたしとちほは在学中ほとんどの公演を彼と出演した。彼も串田さんの舞台に出ていて長野や水戸が多く、もう2年くらい会ってなかった。

あたしの芝居にちほは欠かせず、麻衣子の芝居にまともは欠かせない。
このペアが、野田MAPの「THE BEE」という素晴らしい公演で、打ち合わせもせず同じ日に観にきたという偶然が、うちらの興奮度を高めてしまい、あたしたちは開演まえに振り切れてしまった(笑)あたしとちほも昨日思い立ってチケットを買い、二人は昨日水戸から帰ってきたばかりだという。

しかも「パンドラの鐘」という野田MAPの大作を、あたしはまともと観にいったのだ。
7年前。
公演の稽古中で、午前の稽古が終わってすぐ、午後の座学をさぼって行った。公演後、池袋のカフェでふたりレモネードを飲んだ。
今から思い返せばその公演には我らがAlwaysの栄順さんが出演していたのだから人生はおもしろい。


「THE BEE」は素晴らしい舞台だった。
最近野田MAPの本公演はいまひとつなモノが多いけれど、
こういう番外公演は、ほんとうに素晴らしい。

赤鬼、パンドラ、THE BEE、
野田MAPを観た日、あたしの歴史は動く。
ゆらゆら、ひらひら。
秋山菜津子さんという女優さんを初めてみたが、
生生しく生活感があって、素晴らしかった。
生っぽくて生活感があるということが、舞台でこんなにも強い感覚を見ているひとに与えるのだということを強烈に感じた。
これはある種の発見だった。

わたしも生っぽく生活感のあるタイプの役者(というよりむしろ人間)だが、あたしはそれを隠して、すましてしまい、空回りしてることが多かった。

原作は筒井康隆で、もう30年も前に書かれたものらしい。
昨日来てたらしいがきづかなかった。
ひとつ言えるのは、時代を創るひとは、時代を読むでもなく、
時代に乗るでもなく、多分人間ていうものをどっしりと見据えているんだろう。人間はそう変わらないといういことを感じた。

舞台美術は言うまでもなく本当に素晴らしかった。
基本、紙一枚だけ。小道具は多いが。
それが矢継ぎ早に色んなものに変化していく。
今回珍しく映像も使っていたがそれもものすごく斬新だった。
斬新でシンプル。

みんなにも観にいってほしいがあいにく完売している。
前日に電話すれば当日券買えます。

わたしは妹と、ロンドン公演にも行くつもり。
同じ芝居を最初にロンドンでやったのだ。それが輸入されて、
今の日本バージョンが終わったらロンドンバージョンに切り替わる。ロンドンでじゃないよ!
生生しい女役を今度は野田がやる。
全編英語バージョン。
美術もまったく違うらしい。
ここはお金使っとくとこやなと思っている。


終演後4人でお茶をした。
串田和美監修のもと、来月松本で麻衣子が演出をてがける。
こんなに嬉しいことはない。もちろん、ちほと駆けつけます。
泊り込みで。
わたしのように好きなことばかりかいつまんで蛇行してるタイプと麻衣子は逆で、彼女は自分の作品を生むことをぐっと我慢して、串田さんの助手に徹してきた。もう何年も。
コツコツやってる人の上には大きな花がさくのだなと思って嬉しくなった。

役者をやるという作業は、まわりが思ってるよりずっと地道な作業のくりかえしで、「俺はそんなことない」と思ってても、そういう奴ほどすぐには絶対売れないし、結局は見えない愛情の積み重ね。演じることにたいする飽くなき愛情の積み重ね。

それでも長い道の道すがら、たまに偶然友に会って、元気を貰いあったり、たまに大事な奴にやっと陽が当たって嬉しくなったり、ああ、あいつとまた一緒に演りたいなと思ったり、そうやって登っていく。だからあたしは役者って仕事は、絶対に他人や人間に関心があって愛情がないとできないと思ってる。


舞台も映画も個人主義ではむりだと思う。
完成させることはできても、なにかを生むことはできない。


「THE BEE」は国境を越えて、
言葉をこえて、何かを生み出している、
それは、感動とか、そういう類のものではないけど。

Bee Maiko
Maiko_1

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受信: 2007年6月27日 (水) 21時34分

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