I'm alone at my sweet home
妹も実家に帰って、尚美もいない。
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無駄にちらかして、ソファに寝転ぶ。
このうちは、今あたしが支配している。
誰にも叱られない。
ジャケットを脱ぎ散らかしても。
食べたものをごちゃごちゃのまま寝ても。
がらんとした部屋は少し淋しいなと思いながらも
ひとりの時間がとても楽しくて。
凹んでいる時間すら、浸れて楽しい。
このあいだお店でJUDY AND MARYの「アネモネ」をリクエストされたけど歌わなかった。何年も歌ってなかったから。
でも アネモネはあたしが当時一番好きだった曲で、
家に帰ってお風呂で口ずさんでみたら、歌詞も空で歌えた。
なんだ 歌えばよかったのに。
あんなマイナーなナンバーをリクエストされることはきっと今後ないんだろうな。そうおもうとすこし淋しくて、
家でジュディアンドマリーのカセットをかけてアネモネを聞いた。
”いつもよりも晴れた空を眺めてたら、少しだけ悲しくて少しだけ泣いてみて”
久しぶりに聴くYUKIちゃんの声はわたしを17歳の少女に引き戻す。
YUKIちゃんの声にはカリスマ性がある。
カリスマ性とか魅力ってなんだろうと、こんど28の私が自分に問いかける。
初めてちゃんとした映画を撮った、映画の中のわたしは、とても冴えなくて芝居もひどかった。
ちゃんとやったつもりだったのに。
そして大谷監督に
「いい女なんじゃない。女優さえやんなければ」
と言わせてしまった。
大谷監督のやるせなさはどこにむかうのか、
あたしたちの言い分はどこに向ければいいのか、
いやな感触の残る夜で、とにかくわたしたちが、お互い いい科学反応で作品をつくることができなかったことだけは確かなようだった。
文句のいいようはあるし、ただただ落ち込むこともできるけど
そうではない気がした。
「俺はあの人とはなにかをやりとげた同志って感覚があるからさ」という言葉を昨日 大谷監督と仕事したことあるめんちゃんに言われて、
そういう空間を持てなかったことは残念だなと思った。
またいつかどこかで一緒に作品をつくり、化学反応をおこすまで監督の中のあたしの評価は それだ。
女優さえやらなければいい女。
って。。。。。
あの台詞でまたあたしの中の何かが動いた。
ごとん。
それは決して感情的な感触ではなく。
誰かを敬いすぎたり、蔑みすぎたりするかんじとも違う。
ただ あたしが何か大きく変わらない限り、あたしはこうして
部屋を暗くして、毛布にくるまりながらDVDを鑑賞する、
ただの女のままだ。
六本木から傘をさして帰ってきた。DVDを山ほど借りて。
プラダを着た悪魔。ツゴイネルワイゼン。陽炎座。カポーティ。プルートで朝食を。花とアリス。リリイシュシュのすべて。クリムト。
どっぷり独りに浸るため映像の綺麗な岩井作品を、「リリイシュシュ」は落ちると聞いてたので「花とアリス」を見た。
映像がとても美しくて、窓の外で空が白み始めると、一層美しかった。
友達が二人出ていた。
そういう映画を観るのはあたしは大好きなのに、
今日はすこしむなしかった。
画面の奥とジャージで毛布にくるまっているあたし。
それは近そうで、とても距離のあるもののように思えた。
でも落ち込むというよりは、身の丈が知れたような感じで、
希望を含んだ凹みだった気がする。
知り合いのおすし屋さんが、実力ってのは不思議なもんで、
自分が「そこそこ」と思う奴はじぶんよりちょい上で、「下手だな」と思う奴と自分のレベルってのは同じくらいなんだよ。
という話を前にしてくれて、おもしろいなと思った。
そうやって見ると蒼井 優ちゃんは 神の域だ。
そしてあたしは凡人だ。
それでもあたしは空向きに歩く。つもりだから
今後の対策を考える。
昨日2回泣いた。
一度目はめんちゃんの書いた詩があまりに素敵で。
多分生理前で感傷的になってたんやとは思うけど。
彼には色んな意味で才能があると思う。
昨日は久々のオフで、新宿3丁目で日本酒をけっこう飲んだ。
イトキンラーメンの隣の隣で。イトキンの芝居は好きだ。
こういう場所でバイトしてるのも「売れる前の役者」っぽくていい。そしてオフの日の日本酒は美味しい。
色んな話をひさしぶりにゆっくりできて楽しかった。
彼とわたしはまるでモノの見方が違うのでコメントにいつも驚く。へー。と思う。
終電解散してタクシーで帰ってたら、
ひさしぶりにだいちゃんから召集がかかったので、気分がよかったあたしは錦糸町まで行ってあげた。
そういう日にかぎってカズとか、会いたかったひとたちがやたら連絡をくれてて、あたしが感動したフレーズを借りるなら、昨日あたしのまわりは電波がすりぬけまくっていた。
いつも行ってたお店でスティービーをかけて誕生日をしてもらった。(ひきずりすぎやけどね 誕生日)
さんざん別な意味で泣かされたけど、
だいちゃんだけは毎年あたしの誕生日を必ずお祝いしてくれるなあ、そして3回目だなあ、と思ったら昨日ばかしはちょっとうれし泣きした。
時ってのは偉大だけど、多分寛大なのはあたしだな(笑)
うれし泣きしたりしていい奴、あたし。
だいちゃんとは別れてよかったと思う。そのほうが楽しい。
うちらの会合は常に唐突で約束がない。
この唐突な集合のせいで、(おごってもらったので)
来来週に予定されていた、
うちらの初の畏まって御寿司はなくなった。
けっこう楽しみにしてたのに。
なんなら寿司くわしてもらえばよかったと、朝方ねむりにつきながら思った。
今日はそのまま夕方まで寝た。あんなに飲んだのに二日酔いしなかった。美味しい酒だったからと思うことにした。
だいちゃんは相変わらず芝居の話だけは聞いてくれない。
そして海にもつれてってくれない。
きっとだいちゃんの目に見えてるあたしは毛布にくるまってDVDを見る女なんだろう。
そしてそうあって欲しいんだろう。
しかしあたしはそこから脱出する。
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コメント
なんか、だいちゃんととても素敵な関係ですね。エピソードがあればもっと聞きたいです
投稿: はな | 2010年5月 6日 (木) 05時24分
はなちゃん
って、あたしの知ってる華ちゃん??
これ、3年前のGWの日記だよ〜〜(笑 去年いろいろあって今は連絡もとってないの。。。5年は長かったですよ、曖昧な恋愛をするには。
後悔はしてないけど去年一年はすごく落ち込んでたよ。かわりに仕事に打ち込んでたくさん作品を書いたけどね。
ハナちゃんは元気にしてますか??
もしあたしの知ってる華ちゃんじゃなかったら、、、ごめんなさい。
どんなひょんなことからこの3年前の日記にたどり着いてくれたかはわからいけれど、いきなり過去から手紙がきたみたいで不思議な気持ちになりました。その後わたしは彼と自分のことを小説に書いて、それが蝶番という本になりました。こうして今のあたしがあって、同時に彼はわたしの次のシーンには出てこない、クランクアップしたキャストにあんりました。ちょうど三年後の今、この日記を読みかえすきっかけをくれたことをありがたく思います。今でも三年前のあのときのようにすべてをありありと思い出せるけど、三年も前のことなんだなあ…
投稿: もかこ | 2010年5月 6日 (木) 05時42分
ごめんなさい。
多分、もかさんの御存知の華さんではありません
投稿: | 2010年5月 6日 (木) 22時15分
はなさん
あやまらないでください。
とてもとても、うれしかったんです。なつかしくてあたたかいものが戻ってきた気がして。
投稿: もかこ | 2010年5月 7日 (金) 06時27分
やっぱり、まだ彼の事は忘れられない人ですか?
投稿: | 2010年5月 7日 (金) 19時55分
彼のことが忘れられない、というか、いま地球がひっくり返って「おまえしかいない」と言われたとして壊れたものは元に戻らないし、こわれたわたしの心も修復できないのだけど(5年は長かった)
それでも、ヨーロッパにいったとき、なにか特別なことが起きたとき、「このこと話そう」とか「これ好きそう」とか、反射的に思ってしまって、「ああ。そんなこともう思わなくていいんだった」って気づくときが一番悲しいです。
それらすべてをもっと温かく振り返るにはまだまだ時間がかかりそう。
でも今はもう彼のことを愛してはいません。
彼のことを愛してない自分が悲しくてそれに慣れるにもまだ時間がかかるかな。
投稿: もかこ | 2010年5月 8日 (土) 15時51分
なんか、もかさんて本当にとても素敵な女性ですね。
きちんと、夢や目標があってそれに向かってしゃんと背筋を伸ばして凛としいて、前向きで、仲間がいて‥。
私と全然違うなぁと、羨ましく眩しくもあり、こんな素敵な女性になれたらいいななんて思う反面、複雑な嫉妬心(ドロドロしたものではないですよ
私なんて一度の躓いてまだ全然立ち上がる気力もなく‥。(でもその躓きが思いの外重傷だったみたいで)
ごめんなさい。つい私の個人的な感情を‥。
どうしてこんなコメントをと不思議に思うかも知れませんが、変なやつではないので悪くは思わないでください。(自分で怪しいものではありませんと言う人程怪しいですよね
もかさんとお話をして、キラキラしているものを分けて頂きたいです
投稿: はな | 2010年5月 8日 (土) 19時40分
はなさんへ
ありがとうございます。そんなふうに言ってもらって嬉しいです。
でも、わたしも全然さえない日もあります。
自分を憂いたり、ひとをうらやましがったり…。それはつきないですよね(笑
自分を愛してやりたいといつも思ってはいるんですけど。
人のブログって楽しそうに見えませんか?(笑
こんな素敵な店行ってるんだあ。とか、いろんな友達がいるんだあ、とか思いますよね(笑 でもダイジェストだから(笑 たぶんはなさんのブログをひとがみたら「楽しそう」とか思うと思いますよ。
最近わたしがはまってる曲を紹介しますね。
安藤裕子の「隣人に光が差すとき」って歌です。
あたしも背筋を伸ばせなくて、くちびるかんでるときあります。
この歌で歌われているあなたは男にかぎらないと思うんですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=7ZKhC8AqYG4
s
投稿: もかこ | 2010年5月 9日 (日) 17時20分
あれ リンクできてなかった…?
http://www.youtube.com/watch?v=7ZKhC8AqYG4http://www.youtube.com/watch?v=7ZKhC8AqYG4
投稿: もかこ | 2010年5月 9日 (日) 17時28分
こんな私のために、丁寧なレスを下さってありがとうございます。
一時は、なにこのぉ
でも、ふとある程度落ち着ついて(まだ問題は山積みなのですが)、心の鎧が一気に崩れ落ちてしまって‥。
それからもうぐだぐだになってしまって。(ある意味自分の一番大切にしていた夢を壊されてしまって)今までの自信がすべて崩れ去ってしまい、一体自分が何なのか、何をしている時が楽しいのか解らなくなってしまいました。
以前、もかさんのお名前を聞く機会があってずっとどんな女性なんだろうとすごく気になっていて、本当にたまたま偶然このブログを見つけるに至りました。
本当に素敵な女性で、自分の人生に責任をもって、自信を持っていて本当に羨ましいです。
もし、私のコメントが少しでもご気分を害してしまうような事があったらごめんなさい。
もしそのような事があったら、もうこちらにお邪魔することは致しませんね
でも丁寧な、お返事にとても心を打たれています。
『本当にありがとうございます。』
投稿: | 2010年5月 9日 (日) 18時38分
はなさんへ
気分を害すなんてことあるわけないよ。
これからもちょくちょくのぞきにきてもらえたら嬉しいです。
わたしの名前がそんなに風のたよりに届いてるのかしらあ☆ って意外に近かったりして(笑
Youtube貼り付け失敗してるんだけど聴けたかな?
「隣人に光が差すとき」
わたしは昨日もヘビーローテーションで聴いてしまいました。
(ローテーションというかリピート?笑)
みんなが隣のひとに差す光に手を伸ばして生きているね。
でも、横しか見えなかったりするからなかなか気がつかないけど、
光は差してるんだよね。あなたにも、わたしにも。
その光を見つけられる目を磨きたいよね。
投稿: もかこ | 2010年5月10日 (月) 09時36分
多分、ある意味でとても近い関係?だと思います
たまにお邪魔させて下さい
投稿: | 2010年5月10日 (月) 20時56分
えっ?それって間に入るもの「男♂」しか想像できないのですが!(あれ?笑) いつか秘密教えてください。
投稿: もかこ | 2010年5月11日 (火) 05時50分
もしよろしかったら、直接ご連絡できるメアドなど教えて頂けませんか?
ここですと、ちょっと問題がありますので
投稿: | 2010年5月11日 (火) 13時36分
tantany@xxne.jp
サブアドですが良かったらメールをください。
もしご連絡を頂けたら本アドからご連絡いたします。
投稿: はな | 2010年5月11日 (火) 13時48分